2014/08/10

百貨店ワルツ







2014年8月刊行のオリジナルイラスト集同人誌です。
通販はこちらからお進み下さい。
(アリスさんでは予約が始まってます。
桃源郷さん、恵文社さんでも販売予定です)



1920年代の百貨店を舞台にした、和風アールデコっぽい雰囲気を意識してまとめています。
今でも続く老舗百貨店で、大正末期から昭和初期くらいの近代建築の様式を残している店舗が大好きで、いつか描いてみたいなと思っていたテーマです。

ここ数年近代建築が気になり出して、人間にしか興味がなかったのですが、人間変わるものです。
近代建築は、今ではもう削ぎ落されてしまった装飾とか、質感とか、今では失われたパーツにロマンが詰まっているので大好きでして、休みの日にはちょくちょく古い街に出かけてお目当ての館を眺め回して悦にいっております。
何が楽しいって、タイムスリップしたみたいで楽しいんですよね。
ここにどんな人が出入りして、どんなふうに過ごしたのか。
そんな失われたロマンの豪華集合体が近代建築の様式を残した老舗百貨店でして
近代もの大好き人間にはたまらない時間旅行装置なんですよね。

と、そういうわけで、まずは背景ありきで始まった企画なので背景を描かざるを得ず、何度か自分を恨みましたがまぁなんとか。
私は外観のモノクロイラストページが一番好きです。
こんなところに行ってみたいなの一念で出来上がった1冊です。
お楽しみ頂ければ幸いです。

今回はB5サイズでいつもより一回り小さいです。
どうもA4サイズでは余白が大きく見えてしまって、
私は過剰に盛る傾向にあるので思い切ってサイズを下げてみました。

描いていて、「絵になる瞬間」というのがある気がします。
私の場合は、大判サイズだとその瞬間を見極めることが難しくて
とにかく沢山描くことで完成度をあげようとしてきました。

「絵」というのは、本来はもっと懐が深いと思うのですが
いつのまにか隙間を埋めることばかりを追っかけていたようで
ちょっと軌道修正したくてサイズダウンしました。
今回はアールデコ風なので、余白を美しくとる、というもの一つのテーマだったこともあって、適切なサイズはB5であると判断しました。

前作「どらまちか」も中原淳一のスタイルブックに倣って細長いサイズにしました。
テーマに沿って色んなサイズの本を作ってみたいですね。
モノクロとか多色刷りみたいなので文庫サイズとかかわいいですよね。
色々挑戦してみたいと思います。

話が長くなりました。
以下サンプルですのでどうぞご覧下さい。